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インフレって何?資産への影響や対策を分かりやすく解説【後編】

2023年2月10日
  • インフレって何?資産への影響や対策を分かりやすく解説
2023年2月現在、日本を含め世界でインフレが起こっています。
前回のコラムではインフレがどんな現象なのか、インフレが起こる原因、そしてインフレに弱い資産について解説しました。
今回はインフレから資産を守る方法と、インフレに強い資産についてお伝えします。現金をはじめ保険や株など、ひと言で「資産」といっても形はさまざまです。「一度保有したらほったらかしでいいや」というわけではなく、ライフステージや経済の状況に応じた見直しも大切です。
日本でもインフレが起きている今、お持ちの資産をあらためて見つめなおしてみませんか。

前回のおさらい

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このコラムを読むにあたり、頭に入れておきたいポイントを簡単に振り返りましょう。

“良い”インフレと“悪い”インフレがある
“良い”インフレと”悪い”インフレの違いは「賃金」がポイントでした。
“良い”インフレはモノがよく売れ、物価が上がって企業が儲かり、賃金が上がる状態でしたね。いわゆる好景気です。
逆に”悪い”インフレは災害や戦争などで原材料の価格が上がり、企業は商品の価格を引き上げざるをえない一方で消費は増えず、企業も儲からず、賃金が上がらない状態です。

インフレに弱い3つの資産
インフレ下ではモノやサービスの値段が上がり、お金の価値が下がっていきます。「将来受け取れる額面が、今決まっている」資産はインフレに弱いといえます。具体的には次の3つです。

◆ 現金・預貯金
◆ 保険
◆ 年金


また日本でインフレが起きれば「日本円」の価値が下がるため、外貨(外貨預金)の価値が上がりやすいことも覚えておきましょう。

インフレから資産を守るには

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インフレから資産を守るには投資が有効です。
インフレには「お金の価値が下がる」側面がありますが、インフレ率を上回る利回りで資産を運用できれば問題ありませんよね。もし1年で2%ずつ物価が上がるなら、1年に2%以上の利回りで運用できれば資産は目減りしません。
逆に「物価が上がる」側面を見れば、「モノ」を持っておくことが対策になります。
物価とお金の2つの観点から、具体的なインフレ対策として次の3つが挙げられます。

1. 株式投資
2. 投資信託の購入
3. 不動産投資

投資のポイント

何に投資するにしても、「分散投資」を意識しましょう。なぜなら投資にリスクはつきものだからです。いくらインフレ対策で株を買ったとしても、買った株が必ず値上がりするとは限りません。もしかしたら不祥事や業績不振で株価が下がる可能性もじゅうぶんにありえます。
株を買うなら1つの銘柄だけでなく、複数の企業の株を買ったほうがリスクを軽減できます。
投資するものや国(通貨)、商品を分ければリスクを軽減して運用できます。

インフレ対策となる3つの資産

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株式、投資信託、不動産はインフレに強いと一般的にいわれています。だからといっておすすめされたものを鵜呑みにする、SNSで人気があるから買うなど、よく調べずに投資してしまうのは危険です。それぞれの資産の特徴を捉えてから買うようにしましょう。

1. 株式

一概にすべての企業の株価がインフレで上昇するとはいえませんが、一般的には物価が上がれば株価も上がるといわれています。
ここで思い出したいのが”良い”インフレと”悪い”インフレです。”良い”インフレであれば企業は収益を上げやすく、好業績になりやすいため問題ありません。しかし”悪い”インフレの場合は注意が必要です。原材料やエネルギー価格の値上がり幅をきちんと商品の値段に上乗せして利益を上げられなければ、業績は上がらず、株価も上がらない可能性があるからです。
株式に投資する場合は企業の業種や財務の状況を見て判断しましょう。

株式投資のポイントは焦らないこと
株価が上昇の局面にあったとしても、ニュースや投資家の心理などの影響で一時的に値下がりするケースもあります。急な値動きで焦ってしまうかもしれませんが、長い目で見ることが大切です。
たとえば消費者物価指数の動きも株価に影響を与えるひとつの要因です。消費者物価指数はインフレを測る指数として毎月発表されています。予想を上回って動いた場合には「インフレが過熱している」とネガティブに捉えられ、一時的に株価が下がる可能性があります。
また次のチャートをご覧ください。
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原油高騰でよみがえる石油危機の記憶〜今回も克服に期待?|SBI証券 (sbisec.co.jp)
赤い線が1971年1月〜1981年10月までの日経平均の動き、青い線が消費者物価指数の動きです。消費者物価指数は1972年10月あたりから1974年10月頃まで右肩上がりです。一方で日経平均は1973年3月〜1974年10月までの2年足らずで3割も下がってしまいました。
しかし日経平均はその後、1980年代のバブルに向かってぐんぐん回復、成長します。このように株式投資は2年、3年といった短いスパンで見るのではなく、10年、20年と長い目で見て保有することが大切です。

2.投資信託

投資信託は投資家から集めたお金であらかじめ決まったテーマに基づいて運用してくれるものです。投資信託の商品ごとに日本株、外国株、国内債券、外国債券にそれぞれ投資するものやバランス型と言って、全部に投資するものなどがあります。どれも複数の会社の株などに分散して投資・運用しています。インフレ対策として投資信託を買うなら株式や外国の通貨で運用しているものを選びましょう。
また投資信託にはインデックスファンドといって日経平均や外国の株価指数の値動きに連動するように運用する商品もあります。最近では消費者物価指数を超えるリターンを目指して運用する商品も出てきています。その投資信託が何に投資・運用しているか、レポートや目論見書を確認してから買いましょう。
株を買うとなると数十万円単位の資金が必要ですが、投資信託であれば少額から購入できます。分散投資もしやすく、初心者にもおすすめの投資方法です。

すでに投資信託を持っている方も見直しが大切
投資信託のなかには日本国債をはじめ国内の債券を含めて運用している商品や、債券の指数に値動きが連動する商品もあります。一般的に国内の債券はインフレに強くありません。特に金利が上がる局面では原理的に国内の債券の投資信託は価格が下がります。すでに投資信託をすでにお持ちの方でも、インフレの局面では資産のバランスを一度見直してみると良いでしょう。

3. 不動産

インフレで物価が上がると不動産の価格や家賃も上がる可能性があります。株式を買う以上にまとまった金額が必要になるため購入ハードルはぐんと上がりますが、家賃収入という、不労所得を定期的に得られる資産です。
不動産投資でも、投資する物件選びは重要です。とくにこの先は少子化で人口が減少し、空室や空き家のリスクが高まります。物件の状態や立地、築年数などをよく比較検討して決めましょう。
また不動産を購入する場合、多くの方がローンを組みます。インフレではお金の価値が下がるので、ローンも目減りします。一方で金利が上がりやすい局面でもあるため、ローンを組むなら固定金利のほうが有利といえます。

REITならまとまったお金がなくても不動産投資が可能
REITはReal Estate Investment Trustの頭文字をとったもので、不動産投資信託ともいいます。投資家からお金を集めて商業施設やオフィスビル、賃貸住宅などの不動産に投資し、賃料収入や売買で得た利益を投資家に分配するしくみです。
10万円前後から数十万円程度で購入できるものが多く、実際の不動産よりもはるかに少額で投資できます。REITは取引所に上場しているため、売買は株式と同じようにおこないます。また投資信託でもREITを組み入れている銘柄があります。

おわりに

日本は長い間デフレの状況が続いてきました。政府は2%のインフレ目標を掲げてさまざまな政策を実行し、最近の消費者物価指数は2%を上回る水準で推移しています。
ガソリンや食料品なども値上がりしており、物価の上昇を肌で感じる方も多いでしょう。しかしデフレに慣れてしまって急な変化に不安になってしまうかもしれません。
このコラムでは前後編を通じて、インフレに弱い資産、強い資産、そしてインフレ対策としての投資について解説しました。
資産の運用や投資はライフステージや経済の状況などを長いスパンで考えておこなうことが大切です。

当事務所では資産に関するさまざまなご相談を承っております。お金についての心配ごとがある方はこちらからお気軽にお問い合わせください。
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