[ニュース系]
2021年01月24日
令和3年税制改正大綱
税制改正は、私たちの日々の生活や企業の事業計画にも大きく影響を与える大変重要なものです。
税制のルールは経済社会の変化に対応するものでなければならず、税負担の公平性を保つため常に新たな税制の導入や既存の税制の見直しがされ続けています。
この税制改正のもととなるのが「税制改正大綱」です。
では、この税制改正大綱はどのように決められ、私たちにとってどのような影響があるのでしょうか?
2020年12月に決定されたばかりの最新の2021年の税制改正大綱のポイントを解説します。
◎税制改正大綱とは?
税制改正大綱とは、翌年以降の税制改正の要望をまとめた文書のことをいいます。
具体的には、与党(自民党・公明党)の税制調査会が、その年の経済変化を踏まえた各省庁からの要望をまとめた税制改正要望等の審議をまず行います。
審議の結果、最終的にまとめられたものが毎年12月に「税制改正大綱」となり、閣議へ提出されます。
つまり税制改正大綱は、いわば翌年の税金改正のたたき台になるものです。
例えば、消費税を上げることを検討することや新たな税金を作ること、各税金の見直しなど、翌年度に実施する新税の導入、増税や減税などをまとめたものが「税制改正大綱」です。
税制改正大綱決定後の翌年1月に、政府は税制改正大綱をもとに通常国会に国税改正法案を提出し、毎年4月頃に税制改正は本決定されます。
◎2021年度の税制改正大綱の注目ポイント
2020年12月10日に与党は2021年度の税制改正大綱を決定しました。
個人も企業もコロナの影響により大きく打撃を受けた2020年の背景を踏まえ、家計の暮らしや企業の負担を軽減するため、多くの減税案が税制改正として提出されました。
さらに、2021年税制改正大綱ではポストコロナ向けた経済復興の実現を図るべく新たな促進措置が創設されています。
◎個人に関わる税制改正
• 住宅ローン控除の特例の延長
・2022年末迄延長(2022年12月までの入居の場合)
・40〜49平米も適用可能(但し合計所得が1000万以下の年のみ)
• 国や地方自治体の実施する子育ての助成金等の非課税化
・ベビーシッターや認可外保育所が受ける国や自治体からの助成金や補助金の所得税と住民税が非課税に
• 産後ケア事業の非課税化
・地方自治体が運営する産後ケア事業での非課税化が決定
• エコカー減税
・2年間延長(〜2023年4月)
・自動車重量税の免除
・環境性能割の軽減
• 教育資金、結婚・子育て資金にかかる贈与税の非課税措置の見直し
・適用期限の2年間の延長(〜2023年3月末)
・教育資金の援助最大1500万円まで非課税で贈与可
・結婚・子育て資金の援助最大1000万円まで非課税で贈与可
・贈与者死亡時の残高に係る相続税額への2割加算
• 固定資産税の軽減
・2021年度から価値が上がる土地に関しては据え置き
◎法人に関わる税制改正
• カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設
・脱炭素化効果の高いCO2削減投資、リチウムイオン電池等の省エネ設備を導入することで投資額の最大10%減税
• デジタルトランスフォーメーションDX投資促進税制の創設
・デジタル化・クラウド導入による事業変革を行った場合、投資額の最大5%減税
まとめ
2021年も引き続きコロナウィルスに多くの人の生活が大きく影響を受け、今後の日本経済は低迷することが予想されます。
そんな中、閣議決定された税制改正大綱では、
個人や企業の税制負担を減らすことで人々の生活の困窮を支え、
ポストコロナに向けた日本経済の転換・好順化を目指すべくデジタル・クラウド化や電子帳簿制度の見直しなど、法人向けにデジタル化を促進する税制改正が創設されました。
今回ご紹介した「税制改正大綱」の具体的な内容は財務省ホームページで見ることが可能ですが、専門用語が多く理解しづらいため、まずは、税制改正大綱の内容が分かりやすくまとめられた「税制改正の大綱の概要」確認し、関連部分を「税制改正大綱」で詳しく見ることをおすすめします。
(令和3年度税制改正の大綱の概要https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2021/03taikou_gaiyou.pdf)
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