サラリーマンでも使える節税対策

サラリーマンでも使える節税対策
サラリーマンの税金は給料から直接差し引かれているので、節税する方法がないと思われている方もいらっしゃると思います。

確かに自営業の方に比べてできる節税対策は、少ないです。
しかし、サラリーマンの方でも利用することができる節税対策はあります。

少しでも税金を少なくしたいと思われている方は多いですよね?

そこで今回はサラリーマンの方でも簡単に行うことができる節税対策について説明していきます。

サラリーマンにかかる主な税金

サラリーマンの給料に係る税金と言えば、皆さんご存知の通り所得税と住民税です。

年収別の一般的な所得税・住民税の支払い額は以下のようになります。
所得税の概算
自営業の方は、経費をうまく活用することによって、所得税・住民税の支払いを減らすことができます。

サラリーマンの方は、手取り額で考えていて、あまり意識していない方もいるかもしれませんが、上の一般的な所得税と住民税の表のとおり、大きな金額が差し引かれているのです。

ぜひ、これから紹介するサラリーマンでもできる節税方法を参考にして手元に残るお金を少しでも多くしましょう。

サラリーマンにも使える節税対策8選

サラリーマンでも、行うことができる主な節税対策は8つあります。

• ふるさと納税
• iDeCo
• 生命保険料控除
• 医療費控除
• セルフメディケーション税制
• 扶養控除
• 住宅ローン控除
• 特定支出控除

それぞれの節税対策についてわかりやすく説明していきますね。

ふるさと納税

ふるさと納税を利用している方は多いかもしれませんね。

ふるさと納税を利用すると、ふるさと納税として支払った金額から2000円を引いた分を所得税・住民税から控除することができます。
今年先に税金を支払って、来年その金額から2000円を引いた金額を支払わなくてよくなるのです。

要するに、税金の先払いということになり、厳密には節税というわけではないのですが、このふるさと納税をすることで、返礼品をもらえます。
この返礼品の分お得となるので、実質節税と言ってよいでしょう。

多くの自治体では、ふるさと納税を行ってくれたお礼としてお肉やお魚などの食料品やテレビなどの家電品を、またその自治体での宿泊券や体験などを返礼品として用意しています。
いろんな種類があるのでふるさと納税のポータルサイトで何をもらうか考えるのも楽しいと思います。

ただ、ふるさと納税で出したお金全てを控除にあてられるわけではありません。
所得によって上限があるので注意が必要です。

いくら控除することができるか一般的な表を作ってみたので確認してみてください。
ただ住宅ローン控除があったり特殊な控除があると変わってきますのでご注意ください。
ふるさと納税
注意点は、今年の税金で計算されるので、いくらが上限になるかは当年が終わるまでわかりません。
金額の多すぎには注意してください。

ふるさと納税をはある程度金額に余裕を持ってしておいて、だいたい今年の年収がいくらになるかが見えた12月に最後の手続きをするとよいと思います。

上限額は各ふるさと納税のポータルサイトに計算ができるシステムがあることが多いので、計算してみてください。

iDeCo(イデコ)

iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことです。

iDeCoには、様々なメリットがありますが、iDeCoを使って老後資金を貯めると、毎年の所得税・住民税を下げる効果があります。

なぜ、iDeCoを利用すると、毎年の所得税・住民税を節税することができるかというと、掛け金全額が所得控除になるからです。
全額が所得控除というのが節税額が大きくなるポイントで、この後に出てくる生命保険料控除などよりも有利な理由となります。

iDeCoは、加入の年金種類や退職金制度により毎月の掛け金に上限があり、サラリーマンの場合、企業年金がない場合で毎月の掛け金の上限は、2万3000円です。(厚生年金に加入している場合)

企業年金があるサラリーマンや公務員の毎月の掛け金上限額は、1万2,000円です。

年収別の節税効果の目安は以下のようになります。
iDeCo節税額
非常に高い効果があることがわかりますね。

iDeCoは、所得税・住民税の節税効果だけでなく、iDeCoで出た利益は非課税になるなど様々なメリットがあります。

反対に一度iDeCoにお金をいれたら原則60歳まで引き出すことはできなくなる点には注意が必要です。
ですがどうせ老後のお金が貯めなければならないわけで、強制的に老後のお金を計画的に貯めることができるのがiDeCoです。
毎年の節税効果もあるので、特に老後のお金を貯める場合には活用していきましょう。

生命保険料控除

生命保険料控除とは、生命保険や医療保険、個人年金保険の保険料の一部を所得から控除することができる制度です。

生命保険に加入している多くのサラリーマンの方は、年末調整で生命保険料控除の申請をしているのではないでしょうか。

生命保険料控除は、保険の種類によって3つに分類することができます。

• 一般生命保険料控除
• 介護医療保険料控除
• 個人年金保険料控除

所得税の控除の上限は4万円、住民税の控除の2万8千円になります。

加入している生命保険の種類によって、それぞれ控除を受けることが可能です。
支払った保険料が80,000円になると、上限の控除となり、それ以上払っても控除額は変わりません。これがiDeCoよりも節税効果が弱くなる理由です。

年間保険料によっての所得税・住民税の控除の詳細は以下の表の通りです。
生命保険料控除
なにかしらの生命保険に加入している世帯は、8割を超えています。

この記事を読んでいる方の多くも、何かしらの保険に加入していると思いますので、年末調整の際、忘れずに申告するようにしましょうね。

万が一、年末調整の際申告することを忘れても確定申告で申告することも可能なので、年末調整を忘れたからといって諦めることがないようにしてください。生命保険料控除だけの確定申告なら意外と簡単です。

医療費控除

医療費控除とは、年間10万円以上医療費がかかった場合に、所得控除を受けることができる制度です。

医療費控除の対象となるのは本人だけではなく、生計を共にしている世帯になります。たとえ共働きの夫婦でも生計が一つなら合算して大丈夫ですし、生計を共にしていれば、一緒に住んでいない家族でも合算できます。

控除額の上限は200万円になりますが、年間所得によって、計算方法は異なります。

・年間所得200万円以下の場合
医療費控除額=【医療費負担額】 −【保険金等で補てんされる金額】−年間所得の5%

・年間所得200万以上の場合
医療費控除額=【医療費負担額】 −【保険金等で補てんされる金額】−10万円

保険金等で補填される金額とは、高額療養費制度や出産一時金・民間の生命保険の入院給付金などが該当します。

これらの受け取った金額は医療費負担額から差し引かなければならないので注意してください。

医療費控除は、病院に通っている方にとっては非常にありがたい制度だと思いますが、元気なサラリーマンの場合年間医療費が10万円を超えない方も多いでしょう。

そのような方は、今までは医療費控除を受けることができませんでしたが、2017年に医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制というものができました。

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制とは、2017年に設立された医療費控除の特例です。

セルフメディケーション税制について簡単に説明すると、要は1年間に購入した医薬品の金額が一定金額を超えると、所得控除を受けることができる制度になります。

セルフメディケーション税制も、先ほど説明した医療費控除の特例になりますので、対象期間や対象になる家族については医療費控除と全く同じです。

また確定申告の方法も医療費控除と同じくレシートもしくは領収書が必要になり、給与所得者の方の場合、源泉徴収票も必要になります。

セルフメディケーション税制と医療費控除の最大の違いは、控除の対象になるものと控除対象額です。

セルフメディケーション税制の控除の対象になるものは、制度対象となる特定成分を含んだOTC医薬品になります。

OTC医薬品とは、薬局やドラッグストアなどで処方箋なしに購入できる医薬品のことです。

一般的な風邪薬や湿布など日常的に多くの方が購入する医薬品が対象になります。

医療費控除に比べるとかなり使いやすい税制なので多くの方が対象になるでしょう。

セルフメディケーション税制の、下限の控除額は1万2千円です。上限の控除額は8万8千円になります。

控除額の上限は高額ではありませんが申告する・しないで所得税・住民税に違いが出るのでぜひ申告するようにしましょうね。

医療費控除とセルフメディケーション控除の比較表について載せておきますのでぜひ参考にしてください。
医療費控除とセルフメディケーション税制

扶養控除

扶養控除は、一般的ですが、同居していない親に生活費を援助している場合も対象になる事は皆さんご存知でしょうか?

扶養控除は、扶養者の年齢によって38万円から68万円の控除を受けることができます。

・23歳以上69歳以下…38万円
・70歳以上(同居)…48万円
・70歳以上(別居)…58万円

扶養控除の対象にするには様々な条件があります。

医療控除の対象にする主な条件は4つです。

・納税者の扶養親族で生計を一にする人
・年間の合計所得金額が48万円以下の人
・青色事業専従者、事業専従者でない人
・他の人の扶養親族、控除対象配偶者になっていない人

となります。

対象となる人は、生計を一にする人であって必ずしも同居している必要はありません。

対象外となる青色事業専従者、事業専従者とは、個人事業主の事業を手伝っている家族を指します。サラリーマンの場合関係ないと思いますが、扶養控除と専従者の控除を二重で使う事はできないので、対象外となっているにです。

また、例えば、兄弟で母親を養っている場合、兄もしくは弟のどちらかしか母親を扶養控除に入れることはできませんので注意してください。

年間の合計所得額48万円以下というのは何?と思っている人も多いと思います。
これは不要控除の対象となる人の合計所得です。

所得なので収入ではありません。所得とは収入から経費、サラリーマンや年金収入なら計算上の経費を引いた金額となります。


では扶養に入れようとしている親が年金収入のみ場合の合計所得額48万円以下とは具体的にどれぐらいの金額なのか計算してみましょう。

年金をもらっている方の年齢によって変わってきますが、
・65歳未満の場合
公的年金等の収入金額が130万円未満の場合、公的年金等控除額は一律70万円です。

つまり、年金収入が48万円+70万円=118万円以下であれば、扶養控除が適用できます。

・65歳以上の場合
公的年金等の収入金額が330万円未満の場合、公的年金等控除額は一律120万円です。

つまり、年金収入が48万円+120万円=168万円以下であれば、扶養控除が適用できます。

扶養控除は意外と利用できる可能性が高いので、もし使っていない人がいればぜひ検討してみてくださいね。

住宅ローン控除(減税)

住宅ローン控除(減税)とは、住宅を購入した際、一定の条件を満たした方が受けることができる控除です。

一定の条件とは、年間所得が3.000万円以下であることや住宅ローンの借り入れ期間が10年以上であることなどになります。

これらの条件を満たすと10年間住宅ローン残高の1%の税金が戻ってきます。(消費税率10%が適用される住宅の取得を行い、令和元年10月1日〜令和2年12月31日までに入居した場合は13年です。)

例えば住宅ローン残高が3,000万円ある場合、
3,000万円の1%が戻ってくるので30万円の還付を受けることができます。

今まで紹介してきた控除は、所得控除になりますのであくまで所得から一定金額を控除できるというものになります。
要するに所得控除の金額×税率=税金が下がる金額となります。

一方、住宅ローン控除は税額控除になりますので、その控除の分お金が戻ってくることになります。

所得控除より住宅ローン控除のような税額控除は大きな控除になるのです。

特定支出控除

特定支出控除とは、通勤費や転居費・資格取得のためにかかった費用などを向上することができる制度です。

自営業の方は経費の計上が認められていますがサラリーマンの方は経費の計上が認められないため創設された制度といっても良いでしょう。

以前は非常に使い勝手が悪かったためほとんど利用している人はいませんでした。

しかし、2013年に、スーツなどの衣服代や図書代も利用対象になりました。

会社の承認が必要などまだまだハードルが高いところもありますが、該当する方はぜひ利用するようにしましょう。

確定申告は思っているより簡単!

多くのサラリーマンの方は、確定申告を行ったことがないかもしれません。

確定申告というとハードルが高そうに聞こえますが、今はパソコンやスマートフォンで簡単に行うことができます。

しかも、情報は本だけではなくインターネットにも確定申告に関する情報はたくさんありますので、それを調べながらやれば、思っているより簡単に行うことが可能なのです。

少しの手間で、お金が戻ってくる確定申告を行わない手はありません。

ぜひ面倒くさがらず確定申告を行うことをおすすめします。

サラリーマンも税金に敏感になりましょう!

サラリーマンは自営業の方に比べると節税できるものは確かに少ないです。

しかしサラリーマンだからといって全く節税できないわけではありません。

税金に関する法律は、毎年変わっています。

自分には関係ないからといって税金に興味を持たないのではなく、自分のこととして税金に敏感になることが大切なのです。
確定申告画像

まとめ

今回は、サラリーマンでも行うことができる節税の方法について説明しました。

サラリーマンでも節税する方法はたくさんあることがわかっていただけたかと思います。

今回紹介したものはどれも比較的簡単にできるものなので、ぜひ興味のあるものから利用するようにしましょう。

• ふるさと納税
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