個人賠償責任保険はいらない?どんな時に役立つ?保険の内容や補償範囲を解説

2024年1月1日
個人賠償保険はどんな時に役立つの?
個人賠償責任保険は他人にケガをさせた、他人の物を壊してしまったときの損害を補償してくれる保険ですが、くわしくはよく知らない人も多いのではないでしょうか。
実際に「どんな時に役立つの?」「入るべきかわからない」といった疑問もよくみられます。

そこで本記事では個人賠償責任保険の概要や補償範囲、加入の流れを解説します。
ぜひ参考にしてくださいね。

個人賠償責任保険とは

損害賠償
個人賠償責任保険に入るべきか判断するためには、個人賠償責任保険がどんな保険か知ることから始めましょう。かんたんに概要を整理していきます。

個人賠償責任保険の概要

個人賠償責任保険は、日常生活で他人に誤ってケガをさせたときや、他人の物を壊したときに役立つ保険です。

もうすこしくわしくいうと、他人の「身体」や「物」に誤って損害を与えてしまい、法律上の「損害賠償責任」を負う場合の損害を補償してくれる保険です。

したがって「身体」や「物」ではない、名誉やプライバシーを傷つけたケースについては補償されません。
また契約者だけでなく契約者の家族が負った損害賠償責任まで補償してもらえるため、一家で1人契約しておけば家族全員が補償を確保できます。

後述しますが、個人賠償責任保険は単独で契約するというよりも、一般的には火災保険や自動車保険などの特約として加入するケースがほとんどです。
保険料は年間数千円ほどで、補償金額は1,000万円〜3億円、なかには無制限のものも。手頃な保険料で大きな備えを確保できる点が特徴です。

個人賠償責任保険に加入しないリスク

「日常生活で誰かにケガを負わせることや、誰かの物を壊すことなんて滅多にないでしょ?」と思うかもしれません。

しかし、たとえば自転車に乗っているときに「ハッ」と冷や汗をかいた経験はありませんか?個人賠償責任保険は自転車事故での賠償にも備えられます。

国土交通省によれば、2019年に起きた自転車関連事故は全国で80,473件。死傷者数は全年齢の平均とくらべて中学生が約3倍、高校生が約5倍と高く、そのうち約半数以上が通学中の事故だそうです。

また賠償責任が高額になるケースもみられ、過去には小学生が起こした自転車事故で9,521万円の賠償請求が下された判例もあります。

子どもが起こした事故でも賠償責任は発生し、保護者が代わりに責任を負うことになります。

ここでは自転車事故を例として取り上げましたが、日常生活で高額な賠償責任を負う可能性は思わぬところに潜んでおり、家計に大ダメージを与えないとはいいきれません。

自分だけでなくご家族のためにも、備えがあると安心ではないでしょうか。

個人賠償責任保険の補償範囲と対象者

個人賠償責任保険の補償範囲と対象者
個人賠償責任保険は自転車事故のほかにどんな事故を補償してくれるのでしょう。ここでは補償の具体例と対象者、似た保険との違いを整理していきます。

補償の範囲

下記が個人賠償責任保険で保険金が支払われる損害・費用の具体例です。
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自転車で走っている際に誤って歩行者にケガを負わせてしまったとき
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お風呂場や洗濯機からの水漏れで階下の住人に被害を与えてしまったとき
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愛犬の散歩中、愛犬が他人に噛みついてケガをさせてしまったとき
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子どもがスポーツ中に誤って他人の財物を壊してしまったとき
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認知症のご家族が誤って線路に立ち入り、電車を止めてしまったとき
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買いもの中に誤ってお店の商品を壊してしまったとき
損害賠償発生例

保障の対象者

多くの個人賠償責任保険が下記を保障の対象者としています。
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契約者本人
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契約者と同居している家族
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契約者と生計を一にする別居の未婚の子(親から仕送りを受けてひとり暮らししている大学生など)
保障の対象者
引用:FAQ | 個人賠償責任保険申込サイト

契約者の子どもについては、同居していれば未婚でも既婚でも保障の対象となり、別居の場合は未婚の子のみが保障の対象です。

類似の保険との違い

個人賠償責任保険と似た種類の保険には傷害保険や自転車保険があります。
それぞれの違いをかんたんに整理しておきましょう。

【傷害保険との違い】
表
個人賠償責任保険と傷害保険の違いは、補償の対象者です。
個人賠償責任保険は他人(が負ったケガなどへの賠償責任)を補償する保険ですが、傷害保険は自分や家族のケガなどを補償してくれます。

【自転車保険との違い】
一方、個人賠償責任保険と自転車保険では補償の範囲が異なります。

個人賠償責任保険の補償範囲は「補償の範囲」でお伝えしたように自転車事故だけに限りませんが、自転車保険はその名前のとおり自転車事故のみです。

個人賠償責任保険に加入するには?

個人賠償責任保険に加入するには?
では個人賠償責任保険には加入するにはどうしたらよいでしょうか。
原則として個人賠償責任保険に単体で加入することはなく、一般的な加入方法は次の3種類です。
チェック1. ほかの損害保険の特約で加入する
チェック2. クレジットカードの付帯サービスで加入する
チェック3. 自転車保険に付帯して加入する
それぞれみていきましょう。

1. ほかの損害保険の特約

自動車保険火災保険傷害保険などの損害保険の特約で個人賠償責任保険に加入できる場合があります。

なんらかの損害保険を契約している方は、特約ですでに個人賠償責任保険が付帯されているかもしれません。

保険証券の特約欄を見て「個人賠償責任特約」や「日常生活賠償責任特約」などの記載がないか確認してみましょう。

もし記載がなければ、保険期間の途中でも特約を追加できる場合があるため、保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

2. クレジットカードの付帯サービス

損害保険の特約のほか、クレジットカードでも個人賠償責任保険に加入できます。
カード発行と同時に個人賠償責任保険が自動で付帯されるものもあるため、お持ちのカードを確認してみましょう。

「別途付帯」だった場合はオプションで加入できるかどうか、また保険料の有無、補償の内容を確認して加入しましょう。

3. 自転車保険に付帯

自転車の販売店等で点検を受けると、自転車に「TSマーク」が貼られます。このTSマークに賠償責任保険と傷害保険が付帯しています。なお保険の有効期間はTSマークに記載の点検基準日から1年間です。

またTSマークには3種類あり、サービスの内容が異なります。
TSマーク一覧
引用:自転車利用中の対人賠償事故に備える保険に入っていますか【とらぶるの芽(No.86)】 | 東京くらしWEB

1年以内に自転車を修理・点検した方や新しく購入した方は、上のいずれかのマークが貼られていないか確認してみましょう。

加害者になってしまったときに備えよう

個人賠償責任保険は、他人にケガを負わせてしまったとき、他人の物を壊してしまったときの「賠償責任」を補償してくれる保険です。

気をつけていても、自分が事故の「加害者」にならないとはいいきれませんよね。
年間数千円の保険料で大きな補償を準備できるため、加入しておいて損はありません。

加入を検討する際は、先に現在ご契約中の損害保険(自動車保険や火災保険、傷害保険など)、クレジットカード、自転車(TSマーク)の確認をおすすめします。

個人賠償責任保険の保険金支払いの流れや注意点については次回の記事でくわしく解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

あわせて読みたい:「個人賠償責任保険はいらない?保険金支払いの流れや入るべき人を解説

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